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1990年、名張市赤目地区の静かな里山に、ゴルフ場建設計画が浮上しました。
当時、赤目地区に残された豊かな自然を利用して医療活動を行っていた赤目療養所の職員が中心となり、「赤目カントリークラブ(仮称)建設反対市民の会」が結成されました。
この際、立ち木トラスト運動(開発に反対する者が、地権者から木々を1本ずつ買い取る運動.地権者が増えるため、開発の同意を得るのが困難になる)や、 市民サイドからの環境アセスメント等を行う傍ら、1991年に環境保全型ペンション「エコリゾート赤目の森」を設立して、ゴルフ場に代わる里山の良さを生 かした開発を提案しました.この代替案が支持を集め、ゴルフ場建設計画は撤回される事となり、赤目の自然は残されました。


1995年夏、赤目の里山は再度危機にさらされることとなりました.産業廃棄物処理場を建設するため、赤目の山林が突然、伐採され始めました。
この時も周辺の地域住民が 反対運動を行い、産廃場計画は中止されました。
しかしこの事が契機となり、住民たちはこの自然を守るためには受け身ではなく自らの活動が必要だと考えるようになりました。
そして1996年2月18日、「赤目の里山を育てる会」が発足し、里山を「守る」活動ではなく、自らの手で「育てる」活動が始まりまし た。


赤目の里山を育てる会は、里道の復元や整備を始めとし、休耕田をビオトープとして再整備したり、数々の環境保全事業と協力し、その活 動の幅を広げていきました。
「みどりの基金」運動で集めた寄付金により、ナショナルトラスト運動を行い、現在、2か所のナショナルトラスト地を所有してい ます。1999年には三重県で最初の特定非営利活動法人(NPO法人)となりました。


法人格の取得後も引き続き、エコリゾート赤目の森の 宿泊客への里山体験活動、近隣小学校と協力しての環境教育、里山モデル事業として全国への情報発信を行い、1999年からは国際ワークキャンプの受け入れを、 2003年からは高齢者を対象としたデイサービス事業も展開し、赤目の里山を多くの方に利用してもらい、里山の価値を社会に還元できるような活動を展開しています。


2005年には、ナショナル・トラストによる買い取り地等の保全管理、カワバタモロコ(絶滅危惧1B類)の保護増殖、こどもたちを対象にした環境教育等により、2005年自然環境功労者環境大臣表彰を受けました。
2006年10月には、創立10周年事業として、里山に関する市民活動の全国大会である、第14回全国雑木林会議の開催を行い全国各地から、約320名の里山活動家たちが集い、将来の里山保全の在り方を議論しました。
これらにより、赤目の森で行われてきたモデル事業は全国に発信され、全国各地より視察団が訪れ、注目されるようになりました。


2005年より、日本最小の木質ペレタイザーを導入し、里山の資源を利用したバイオマス燃料製造モデ ル事業を始めました。
2008年に、赤目の森での原料生産から、加工、消費までの一連のシステムが実現し、地球温暖化防止や原油高騰の流れとも相まって、 NHKテレビ「ご近所の底力」や朝日新聞等にも取り上げられました。


また、2007年は、日本ミツバチによる養蜂を試験的に始めました。
ミツバチの巣箱を里山に設置し、草木の受粉を促進し、小動物の食物となる果実を増やすとともに、蜂蜜の採取を行っています。


赤目の里山を育てる会は、里山の新たな活用法を探りながら、現在もその活動の幅を広げ続けています。