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パーソナルペレタイザーへの挑戦
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―― 21世紀の里山に柴刈りに
行く私たち その未来と可能性 ――

2008年3月25日
里山の伝道師  伊井野 雄二
(特) 赤目の里山を育てる会 理事長


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【はじめに】

 この超小型ペレタイザー(以後ミニペレ)が順調に稼動し始めてから、里山の散策時や自動車で移動する時などに見かけられる木材の切れ端や倒木の木々達が、「お宝」と見られるようになってきた。

そんな所に放っておかないで、屋根のある所に置いとけば、充分なペレットの原料になり、多くの人たちの暖房に供されて、みんなのために役立つのにと。

 つまり、ミニペレは確実に木質バイオマスに対する私たちの意識や価値観を変えたと言っていいだろう。昔話の桃太郎に出てくるおじいさんが山に柴刈りに出かけた際は、柴だけでなく、里山にある全ての木質バイオマスが「お宝」に見えたのではないだろうか。それが生活を支える大きな資源で、家の中に取り入れるからこそ、里山は見事なまでに収奪利用されて、その景観は息を呑むようにきれいで、生物の多様性に冨み、多くの山の幸を私たちにもたらして来たのだろう。

 里山保全団体の活動における大きな使命としては、間伐・除伐採など、木を伐採して里山の環境を

保全するということがある。そこで出た木質バイオマスを広範な人たちに簡便に利用できるようなシステムを如何に作り上げるのかが私たちに求められているのだと思ってこれまでやってきた。しかし、このミニペレが私たちの仲間になった途端に、そうではなくなった。

 と言うのは、里山の保全や自然保護の啓発が先にある活動ではなく、昔から延々と続けられた木質バイオマスを使った里山の「循環」利用が私たちのこの21世紀の生活の中に新しく位置付けられたと言うことがいえる。利用が先にあり、その結果として里山保全が行われるということである。

 この認識がミニペレの持っている凄さの象徴である。里山保全が自分たちの生活の一部になり、そ

の活動がその地域やその地域の将来を展望する地域計画にまで発展する可能性に夢を馳せる事が簡単にできるようになった。なぜなら、「萌芽更新」による計画的伐採利用には、15年とか20年の長期的展望が必ずないと「循環」は完成しないと教えてくれるからである。

 多くの里山保全団体での活動の中で出る木質バイオマスは、樹幹部は薪やほだ木で、枝葉部はチップ化か、もしくは道端へ置いておくくらいしか活用がされていないのが実情だった。実際薪にしても、販路も活用場所もなく、充分な展開ができていないのが実情だ。枝葉部の利用等はほとんど手が届いていないと言ってもよい。育てる会でも、実際のところは同じような状態だった。

 ところが、ミニペレが導入されて事態は一変した。伐採したコナラやクヌギの利用だけでなく、里山保全で最も繁茂に作業がある柴刈りで出る柴の処理がほぼ完璧にできて、全量ペレットに利用できる事がわかったからだ。




【赤目の里山を育てる会とは】

私たちの活動の拠点は、三重県名張市南西部の丘陵地 通称「赤目の里山」。広さは二百ヘクタール、海抜はおよそ200-300メートルのなだらかな丘陵地で、日本のどこにでもある平凡な里山だ。

1990年頃、バブルといわれる時期に、「ゴルフ場」開発の危機に見舞われたが、提案型大規模開発反対運動の結果、ゴルフ場計画は頓挫し、環境保全型ペンション「エコリゾート赤目の森」が生み出され、16年目の取り組みが進んでいる。                   

その後も、幾度となく開発の波は押し寄せて来たが、「受身ではこの里山は守れない」と積極的に里山の保全を計るために「ナショナル・トラスト運動」で土地を取得して守る「赤目の里山を育てる会」(以後育てる会)を96年2月に発足させた。97年には東海地方第一号のトラスト地を取得して、現在では皆様から寄せられた「みどりの基金」で合計4000平方メートルの山林や田畑を有するまでになった。また99年には三重県第一号の特定非営利活動法人の認証を受け、02年には介護保険法の通所介護施設「デイサービス赤目の森」も開設することになり、里山のユニバーサル利用の実現に向けて更なる発展を遂げている。




【ミニペレタイザーとの出会い】

 育てる会の課題は、自動車での侵入ができない里山の里道の復活整備がその中心となっているが、トラスト地の保全整備で出てくる大量の間伐材を如何に利用していくのかが、当初の大きな問題だった。また、典型的な里山である赤目の里山で、「萌芽更新」の促進をどのように展開していくのかを考える中で、里山本来の「エネルギー貯蔵庫」の役割を新しい時代に新しい方法で復活させようということで、ペレットストーブを購入設置して、木質バイオマスエネルギーの可能性を啓発普及する取り組みを行ってきた。

 それが、2003年の2月 エコリゾート赤目の森に設置したイタリア・テルモロッシ社/エコサーモ3000で、このタイプの納入では日本で第一号という風に聞いていた。本格的な使用は03年の10月からで、当初はイタリアからのホワイトペレットなどを少しづつ購入して使っていたが、近くにペレットを販売しているところがわからない状態で、そのうちに高槻森林組合(現在は大阪府森林組合三島支店)が大きなペレタイザーを稼動しているということで、そこから調達をすることになった。

 毎年1.5トンから2トンを購入していたが、ペレットをイタリアのものを使っても、高槻のものを使っても私たちの胸の中で、「赤目の里山にはペレットの材料となる多くの木材が存在しているのに、ペレットを誰かに作ってもらっていることはおかしいのではないか」という思いが去来していた。「自分たちでペレットを作りたい」「しかも、NPO団体でも手に入りやすい価格で、少量でも確実に動く機械がほしい」ということだった。

 育てる会が、ペレットストーブを使っていることを発信してしばらくして、今回のペレタイザーのメーカーである㈱アースエンジニアリングさんの営業の方の訪問を受けて、「助成金は50%助成が多く、少なくとも200万円を切るような価格でないと、団体負担が100万円以下になりません。そんな価格帯の商品の開発をお願いします」とこちらから依頼した。そして04年の12月同社から「超小型のペレタイザーを開発したので、、、」という連絡をもらった。早速会社を訪ね、機械の稼動を確認し、翌年の3月に三重県の助成金と団体負担で、定価168万円の超小型ペレタイザーを赤目の里山に設置する事ができた。

 こんなに早く導入できたのには理由があり、それは丁度そのころ、育てる会の里山の中の休憩所の看板に下げてある「募金箱」に何と100万円という大金が無造作に入れてあったからだった。「赤目の里山の自然と生き物のためにお使いください」とちゃんと書かれてあった。




【ミニペレタイザーと悪戦苦闘】

 この機械の本体の大きさは幅450×長さ550×高さ900(ミリ)で、当初は供給機は付いていなかった。(ホッパーも含めて高さ600ミリで幅 長さは同じ)開発経緯は、コーヒー殻の利用を目的に作られていて、製造能力は非常に少ない(3~5kg/h程度)ので研究や教育用の利用しか難しいということだった。

 しかし、メーカーの現地を訪ね、赤目の森で木材を下処理した材料を使いペレットを試作することを何度も行ってもらい、モーターの大きさや内部部品の選定をして製作してもらったので木質ペレタイザーに変身しているはずだった。

 設置当初から供給機を自作できるかという事が大きな課題だった。また超小型ペレタイザーの最大の問題は、材料を均一に生産する事がとても困難で、材料の変動に機械がついていく事ができないということだった。止まったり空回りをしたり、軟弱なペレットができたりということは機械に慣れるまでの当然の結果であるという事がいえる。

 私たちも当然その洗礼を受けた。なぜなら、大型機械には付いている乾燥機や粉砕機や調整機や石金属除去装置などが何も付いてないからであった。そのような中で自作の供給機を作るために四苦八苦しながら、何とか人の手を離れて、1時間でも自動に動いてペレットを作れるようにと努力してみた。しかし、素人の手による自動供給機作りは困難を極め、手による投入に於いても長時間における試験では、上記の障害が発生する事がわかってきた。

 そうこうしているうちの、05年10月に最初の大きな故障が発生した。ローラーがO脚に扁形してしまったのだ。この修理におよそ2ヵ月を有したが、ローラー接合部の設計の変更でこの問題は今のところ解決を見ている。

 そして、06年の初夏に待望の自動供給機がメーカーの手により完成し、設置して稼動状態となった。しかし、この供給機ができても、なかなか良質なペレットを作ることは困難な状況だった。決められたモーターの回転速度で材料が供給されても、均一の材料でないために供給量の変動がある。材料の乾燥度が均一でなく、材料の樹種もまちまちであるという厳しい状況の中で、やはり完全な自動で1時間生産できることは稀な状況だった。メーカーの担当者も「やはり木質ペレットの製造は無理なのか」というような質問を育てる会にしてきたが、私たちは何とか問題を解決して、前を向いて行きたいと考えていた。

 結局、長時間にわたる稼動試験によっても良好な結果が現れず、遂に機械を里帰りさせることになった。2007年3月から10月までの半年間 アースエンジニアリングの会社で、フラットダイの穴の大きさを拡げる加工などがされたようだ。そして、赤目に戻ってきた機械は、いろいろな試験を経てほぼ完璧に木質ペレットを作る能力を携えて帰ってきたということだった、しかし、なぜか赤目の森での稼動試験では同じ結果にならずに、やはり軟弱ペレットや詰まって空回りなどを繰り返していた。

 そして、07年12月今度は主軸の断裂が起こった。担当者はこの故障をみて、この機械はここまでと思ったと後述していたが、私たちはその直前にほぼ理想の稼動をしていたので、すぐに修理補修を依頼して、08年年始早々には機械は帰ってきた。それから再度調整して稼動していたら、今度は内部のペレットカッターが動かなくなり、すぐに担当者がきて修理を終えた。

 これほど、多難な故障と問題を克服した機械を私たちは知らない。160万円もの代金を支払った自動車や電化製品なら即座に返品したと思う。しかし、そうしなかったのは当初の「自分の近くにある木材を使ったペレット作り」をあきらめ切れなかったということだ。そして、身の丈の技術とはこういうものだという経験があった。それは太陽熱利用でも風力利用でもベンチャーメーカーは社会啓発的な製品を作ったが、充分な稼動実験やメンテナンス保証は弱小企業のため確保されないことが多かった。

 このような艱難辛苦、悪戦苦闘の中で、やっとその希望を実現することに大きく前進する事が起こった。08年3月3日 10時間の連続稼動が実現したのだ。これで、一般の人たちにこの機械を使ってもらえる自信が湧いてきたと言ってもいいだろう。しかしながら、現在のところ稼働時間は主軸の補修を行ってから、延べ300時間くらいしかない。まだまだ何が起こっても不思議ではない。明日がその日かもしれないという状態だ。




【どのような流れで、ペレットが作られるのか】

 このミニペレの記事が朝日新聞の名古屋の夕刊に掲載されて愛知の里山NPOからメールが届いた。「山地のバイオマス利用には、超小型のペレット製造機が不可欠と思っていました。 具体化されたのは、動きが活発だからでしょうね。 やればできるものだと、感心&拍手喝采です。」

こんなに喜んでいただけるメールを頂き、的を射たという感じだった。

 里山保全団体の大きな使命としては、先に見たとおりだが、そこでの木質バイオマスエネルギーを如何に一般化して、利用してもらえるようにするかと言うことだった

 このような中で、ミニペレが導入されて、事態は一変した。里山保全で最も繁茂に作業がある柴刈りで出る柴の処理がほぼ完璧にできて、画期的に全量ペレットに利用する事が可能となった。

 本格稼動して、まだ二ヶ月しかならないが、なぜこんな事が言えるかというと、これまで何年も前に柴刈りして道端に於いていた柴の束が、小山くらいの量に積まれていた。それが野外に関わらず乾燥が進み、チッパ―・シュレッダにかけると適度に粉砕されて、適当な湿度と形状を保つ材料として利用できる事がわかったからだ。また、コナラやクヌギの枝葉部も、たまたま伐採して野外放置していて10ヶ月経たものが相当量あり、これを粉砕機にかけるとこれまた丁度良い状態で、ペレタイザーにかけることができたということも重なった。

 ちなみに育てる会の機械のラインアップは、チャンソー→薪割機→粉砕機→手作りの篩い→ミニペレタイザー→ペレットストーブというものだ。 費用という点では、チャンソーは数万円 薪割機はエンジン式で25万円 粉砕機ゼノアチッパ・シュレッダは中古で30万円 ミニペレタイザー供給機付き200万円 テルモロッシエコサーモ3000 30万円  合計およそ300万円位。

 価格は概略ということ。育てる会では前述の通り今から6年前以上から木質バイオマスエネルギーの地産地消を目指していた。そういう流れの中で、この300万円のおよそ220万円は行政庁(名張市・三重県)や民間団体(日本財団など)などの助成金によってもたらされたものであり、育てる会が特別潤沢な資金があったために獲得できた機器ではないことを言っておきたい。長期的な視野にたって機器の増設は必要と考える。

 以上の機械類とこれまでのペレット製造経験を合わせると、精密粉砕機 乾燥機などがなくても、十分ペレットが作れることを発見した。つまり、一年以上先のペレット材料を作るために、柴刈りや伐採を行い続けなければならないと言うことだ。コナラやクヌギの樹幹部接合部の太さでいうと、手首くらいの太さならそれから先全てを粉砕機で処理できる。少しのムダもない。どんなに長くても粉砕機なら小口に切らなくても噛み砕いてくれる。(もちろん10ヶ月以上野外放置したものという条件で)

 このミニペレの木質バイオマス材料の最大のポイントは乾燥と形状だ。上記の方法で乾燥させた材料とその材料で作ったペレットを京都学園大学の中川重年教授に分析をしていただいた。(別表の通り)材料の水分率は16から19%で特に問題はないということ。形状は11%もの不適合のものが混在していることが指摘されている。

 ペレットの水分率が高槻ペレットより少し高い。これが、燃焼エネルギーを弱めていることにつながるのではないかと思っているが、販売用のものではなく、自家消費の範疇では特に問題は起ってはいない。 




【このミニペレタイザーは何をもたらすか】

 以上のように意外と簡便に乾燥材料が手に入る事が分かったが、ミニペレは商業ベースで生産を進めるということにはならない。そして、一般的なペレタイザー工場は投入される材料は廃材や生木、プレカットの端などいろいろな条件の材料が大量に使われているので、機械的に材料を統一し調整することになる。ミニペレが導入された里山保全団体の立場で考えると、暖房用の薪やペレット生産のために、事前の木質バイオマスの準備・用意が必要となる。例えば今年の冬のことを考えると、ペレット材料の最低量の確保は事前にしておきたいので、この原稿を書いている3月内には落葉広葉樹の適宜伐採を行い、今年10月から使うペレットの材料確保をしておきたいと考えている。このようにこのミニペレを本格的に稼動させるようになると確実に里山は「エネルギー貯蔵庫」という認識を復活させられる事がわかる。

 里山保全のために、間伐 除伐 伐採 柴刈りなどなどを行った結果としての木質バイオマスの供給、そして、景観維持 生物多様性が計られると考えていたものが、真っ先に「木質バイオマス」確保が最優先されることになる。里山保全が「主」ではなく、「従」ということになり、しかもそれは、随分と将来を展望した気の長い活動にならざるを得ない。

 さて、このようなパーソナルペレタイザーとも言うべく「ミニペレタイザー」がもし、社会に多く出回るようになると、里山保全や木質バイオマスエネルギー世界に何をもたらすのだろうか。


木質バイオマスエネルギーの地産地消が確実に進み、地域内の木質バイオマスに関心を集める。

ミニペレタイザー協同組合的なものが発生する可能性

4.5kg/h×8h×300日=およそ11トン  (ミニペレが年間に作りだすペレットの総量)

5kg/日×150日=750㎏          (一般家庭の年間使用量)

11トン÷750㎏=14軒          (ミニペレで14軒のペレットを作れる可能性)


当然里山や森林の整備が自主的に進み、自然環境の保全や森林の整備が進む。

生物多様性の促進   森林資源の再復活   原風景復活


地産地消の木質バイオマスエネルギーをローカルで手に入れることは、産業 教育 経済 社会をローカルで独自なものを生み出すきっかけになる可能性がある。


里山の復活は当然、新しい農業システムを作り出す。


身の丈の技術の開発に注目が集まり、新しいエネルギーの創造を活発にする可能性がある。

コジェネレーション ペレットボイラー+スターリングエンジン= 熱と電気の生産


樹幹部の利用による 薪 炭 ほだ木の利用促進  環境教育の促進など


 以上のようなことが考えられるのではないかと思う。



見てきたように、自作ペレットを作るためには、自分たちの地域での木質バイオマスの事前集積が必要となる。それは、里山や森林の木材の切り出しを自らしなければ材料の確保ができないということだ。また、それには里山環境の整備や人工林の育林のための間伐などが行われることを意味する。お金で買ったペレットがどのような材料で作られたか、ということを正確に知ることは不可能だし、そのことが自分たちの地域を良くしたりはしない。

そして、ミニペレでの木質バイオマス確保では、簡便乾燥や経費節減ということで、里山保全・利用を長期展望をもって行う事が大切であることが必然的な課題として提起され、その事が地域における里山総合整備計画の策定を促すことになり、結果として本来的な「地域づくり」に参画をするようになるということがいえるのではないだろうか。

 また、本誌の7号の「木質ペレット 世界の最近の動向」熊崎 実著に興味深い事が書いてあった。それには、「ヨーロッパでのペレット工場は日本の規模の何十倍もある工場に混じって、日本の工場よりも随分小さな年間生産1000トンクラスのものが点在して存在している」ということであった。理由は木材加工のプロセスの中に上手に組み込む工夫をすれば、小さくてもコストはさげられるということだった。

 このミニペレタイザーではもちろん商業的なペレットを作ることはできないし、得られるペレットを金銭換算しても、ミニペレの償却すらもできない。にも関わらず、この機械の持っている意味は大きい。先ほどみた長期展望による地域づくりとともに、このミニペレが全国津々浦々に展開することで、CO2削減 地球温暖化防止の対策になるばかりでなく、身近な環境教育機能や身近な身の丈の技術伝承と言う意味でも大きな期待がもたれると考えられる。石油メジャーが世界の経済を牛耳る中で、自分たちの里山で、完全な「循環」燃料を自分たちで手にすることができるその機械や技術は、今後益々注目されることは間違いない。日本でどれくらい大型のペレット工場が今後稼動するのかは不明だか、その工場の周りにヨーロッパと同じように小さなパーソナルペレタイザーが稼動するという状況が生まれる可能性は大で、商業運用に対してボランティアNPO保全活用運用というミニペレタイザー工場が協同して、新たな木質バイオマスエネルギーネットワークのようなものができるのではないかと期待している。


【おわりに】

 私の仕事の事務所には、小さなテレビモニターがある。昔懐かしい白黒の場面で、その映像と一緒に音も拾うことができる。そのモニターには、いつも、30メール離れたミニペレの回っている画面が映し出されている。ちゃんとローラーが回っているかを確認するために。

 ミニペレが順調に動けば、確実に身近な里山の保全は進む。今2008年のワーキングホリデーキャンプを実施して全国から青年たちが赤目の森に集まって作業をしているが、彼らは昔話の桃太郎のお話に出てくるおじいさんが刈るシバは、確実に「芝」だと思っていた。その彼らに、シバはこの「柴」だよと言って教えながら柴刈りをして、今年冬のペレット材料を確保している。作業でのbefore afterを体験しながら、薄暗い林から明るい林に転換して、自分たちが刈った柴が21世紀の薪である「ペレット」に変換されることを思えば、彼らこそ新しい「柴刈りおじいさん(お兄さん)」と言うことがいえるのではないだろうか。

 このミニペレの活用の方法は、これから多くの人たちが考えはじめるだろう。人々の生活の新しい道具としての意味を込めて、「パーソナルペレタイザー」とこのミニペレタイザーをあらためて呼びたい。10年前はこんなに携帯電話が普及するとは思わなかった社会が激変したように、これから短期間に里山の資源を新しい社会に新しい技術や道具で取り込むようになるだろう。そういう意味で育てる会は、里山自然の復活のために新しい課題を再び設定して頑張って行きたいと考えている。次の課題は「日本ミツバチ」それとも「和紙作り」か。




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